熱中症は、体内深部に熱がこもり、心臓を始め内臓諸器官がオーバーヒートして機能不全を起こし、時に命に関わる病気です。
テレビやマスコミでは冷房、水取れと連日言っていますが、追々話を進めていきますが、熱がこもるから冷やせばよいというものではないのですね、これが。
この状態に陥いりやすいのは汗をかかない人、またはうまくかけない人です。
体力が落ちてきている老人は、心臓の働きが低下して身体全体の発熱量が落ちていますから、冷えが強くなり、あきらかに発汗量が減りますから熱中症になりやすいのは明白です。
この状態にある方は、暑さを感じにくくなっているので大変危険な状態にあります。
年齢とともに自覚は薄れていきますから周囲が気を遣う必要があります。活動の元気とは別物なのでちょっとやっかいです。
冷房をつけず、窓を閉め切ったまま亡くなっていたというような例はこのケースです。
しかし、現代ではコンピューター制御のエアコンというすばらしいものがありますから、ある程度温度設定を決めて使用すれば、それこそ、3年~5年は寿命は延ばせると思います。
次に問題なのは子供ですね。
生後すぐからずっと冷暖房できちんと管理された環境で育っていると、大きな温度変化に対応する必要がなくなってきます。
すると、体温調節を司る自律神経の能力が低い人間になってしまいます。親の代からそういった体質を受け継いでいるとなおさらですね。
ちょっと熱い中で運動したり作業したりするとすぐに具合が悪くなってしまいます。
また、反対に冬の寒い中では、身体を温める力が備わっていないのでほとんど運動能力が発揮されない、つまり動作の鈍い子供になりがちです。
大人になると自律神経失調症といって、うつ病に近い体質になっていきます。
もちろん、こういうタイプがうつ病や発達障害を起こしやすいのはいうまでもありません。
最近は、普通の大人でも熱中症にかかることが多くなってきましたが、上記同様に、快適に管理された冷暖房の中で生活していることが大きな原因となっています。
どんなに暑くても外で仕事をしたり、また野球したりテニスしたりしている人達や蒸し暑い体育館でバドミントンや卓球をしてる人達は熱中症とは無縁なのは普段から過酷な環境に慣れているからです。
「いやっ、たまにスポーツ選手が倒れることもあるじゃないか」と反論があるかも知れませんが、そこにはもう一つの要素である自律神経の機能の問題が絡んできます。
過度の緊張状況などのストレスです。スポーツ選手達はギリギリの精神状態で戦っています。そこに高温、多湿という二重のストレスがかかることで起こりうるのです。年に何人もの人が亡くなっているのも事実です。
特に小児喘息や過呼吸症候群などの既往がある人は要注意です。急激に無理はせずに最初のうちは体力にあった運動から始めるべきです。
自律神経失調症については
https://ja.wikipedia.org/wiki/自律神経失調症
解説するのは大変なのでここを見てください。
この中に治療は心療内科や精神科でと書いてありますね。
また、鍼灸などが有効なこともあるとありますが、自信を持って「鍼灸の方がずっと有効です。」といえます。
ここまで読んで、「そんなことはない。自分は普段から気持ち悪いほどかいている」という人も多いと思います。
ケチをつけるわけではありませんが汗のかきかたが問題です。
日本の夏はは高温多湿なのは皆さんご存知の通りです。実はこの多湿というのが問題です。
身体が暑いと感じた時、身体は発汗して気化熱の原理で体温を下げようとします。皮膚表面の汗はどんどん蒸発して、それに併せて水分をしっかり補給し、あとからあとから発汗してどんどん体内の体温を下げたいのです。
脱水症状という別の問題もありますが、高温でも湿度が低ければ充分な水分補給で対応できます。
ところが、日本のような多湿の地域では皮膚表面ににじみ出た汗はなかなか蒸発できません。すると、いつまでも皮膚表面だけ冷えてジトッとしていることになります。その冷えの壁が、体内深部に熱をこもらせます。
これが熱中症の機序です。
症状の弁別は煩悶があるかどうかが鍵です。煩悶とは、息苦しく、呼吸ができない、胸苦しい、焦燥感、不安、動悸、いらいら、心がざわつきじっとしていられないなどです。
一方脱水症状は水が足りないだけでなく、電解質という体内の代謝を正常に動かすホルモンなどの素になる物質が不足するので、身体の機能自体がダメージを受けます。手足のしびれ、四肢あるいは全身的な痙攣、意識混濁、朦朧感、頭痛が中心になります。
こちらの方が命に直接関わりやすくなります。
ところで冷房など無いもっともっと高温多湿の東南アジア諸国ではどう対応しているのでしょうか?
答えは食です。香辛料の入ったカレーなどの辛いものを食べることで深部からの発汗を促します。生姜などにもその作用が認められます。そして最終的には発汗するという作業で深部体温の上昇を防ぐことになります。
短時間の昼寝も発汗に一役買うことがあります。
やはり、あまり快適に夏を過ごしていては、かえって長い目で見て健康状態にはよくないということになりますね。
文系のくせに文章が下手なのであまりに長くなってしまいましたが、この辺でまとめてみたいと思います。
熱中症の原因というか症状というか、今風に言えば自律神経系失調症、および自律神経系の機能障害です。
夏は、内臓温度が上昇しすぎて機能低下を起こしやすいので、深部の熱を外へ外へ放出しようとします。
すると、皮膚表層が温まりゆるんで発汗、気化熱の原理で内臓の過剰な温度上昇をコントロールしています。
ところが、最近の日本の快適な冷房事情のせいで高温多湿の環境にうまく対応しきれなくなり、明らかに発汗量が減ってきています。
発汗作用が充分に作動できるほど太陽を浴びたり運動したりする事が少ないと、この体温調節機能、いわゆる自律神経系の機能低下が起こります。
実は更年期障害などで言われる自律神経失調症も、この機能が著しく低下した状態のことなのです。
この機能が低下すると、暑くもないのにかァーっと頭が熱くなり急に発汗したり、胸や喉がイライラソワソワしたり、逆にその後悪寒がする程冷えてしまったりすることがあります。この症状は、最近では小学生や赤ちゃんにも見られるようになってきています。
最後に、是非人間の身体の中でもとても重要なシステムを知っておいて頂きたいのですが、シェル(殻)とコア(核)のお話しです。
人間は、100年近く安定して生命活動を営み続ける能力を持つ内臓器官の集合体である核(コア)と、それを外界のいかなる変化からも守り、活動を維持する殻(シェル)の協調によって成り立っています。
コア(内臓)は急激な温度変化に弱く、25度以下と43度以上になると生命に関わる重篤な状態に陥ります。つまり死に至ります。
シェルはそうならないように、外界が低温の時は分厚い殻(壁)を作り毛穴を閉め、細胞を凝縮して核である内臓に冷えが至らないように、そして熱が逃げないように対応します。
反対に外界が高温の時は、殻(壁)を薄くして毛穴を開き細胞を緩めて発汗を促し、内臓の熱を逃がすようにします。
夏の20度は寒くて、冬の20度は温かく感じるのは、夏はシェルが薄くなり発汗しやすく、冬はシェルがぶ厚くなり熱を逃がさないように調整しているからなのです。
夏は適度に運動をして汗をかき発散することで、より強固なシェルとコアの協調が構築され、同時に強い自律神経の機能の一つである強い精神力も得られます。
億劫がらずに少しだけ身体を動かしてみてください。
できれば冷房のスイッチも切ってね。
