おしっこの話(過活動膀胱・夜尿症・頻尿など)

泌尿器疾患というとその病態は幅広く、長くなるので、単純におしっこのトラブルを考えてみましょう。例えば、頻尿、尿意品数(すぐに行きたくなる)、過活動膀胱、尿閉、血尿、などなど。

 

その原因はざっと挙げると緊張性、加齢性、泌尿器系器質疾患性、心因性、遺伝性、医原病性、性病由来などいくつかの原因が絡み合って起こります。(どんな病気もそうですがね)

 

しかし、東洋医学的立場からの捉え方はとてもシンプルで、現代医学の世界で取り上げられる何千年も前から治療法が研究されており、漢方、鍼灸を含め治療法も確立されています。

簡単に言えば、身体の上の方に気(エネルギー)が上がってしまった交感神経興奮状態か、下の方に気が下がってしまった副交感神経興奮状態かを見極めて、上がっていれば下げる、下がっていれば上げる治療をせよ。ということになります。

 

気が上がったというのは、頭や心が緊張している、夜も満足に眠れないような状態。

そうなると、脳や神経といったいわゆる上の方ばかり働きが盛んになって、そのことしか考えられない、この状態が長期間続いていると、身体の下の方にある内臓諸器官には十分にエネルギーが巡らず、膀胱、大腸、子宮など生殖器、前立腺などの機能低下が起こりやすくなります。

このタイプの人は、日常生活では比較的元気な人が多く、中年以降に発症しやすくなります。

 

逆に、昼夜問わず、何しろトイレのことが気になっていても立ってもいられないという状況に陥る。あるいは、尿意を感じると我慢できずに漏らしてしまうことがある。

というのは、気(エネルギー)が下の方に集まってしまっている(敏感になっている)状態です。

 

過活動膀胱というおしゃれな名前で呼ばれていますが、大変な不安と苦痛を伴う病症です。

原因はいろいろで特に限定はできませんが、頻尿、夜尿症、膀胱炎、前立腺炎など、多岐にわたり症状が出ます。

一番多いのは加齢により全身的な気(エネルギー)が下がった状態です。更年期以降の女性に特に多く見られ問題視されますが、実は男性でも同じ悩みを持つ人はかなり多いようです。

女性の場合、尿道が男性に比べて短いこと、筋肉量が少ないことから、締める力が低下して、尿漏れや尿失禁が起こりやすくなります。

治療は、気(エネルギー)を下に停留しないようにしてあげれば寛解してきます。

 

もちろん男性にも起こりますが、男の場合には前立腺肥大による尿道圧迫ということが多く、手術に踏み切る人も多いようですが、かえって悪化するケースが多いため、前立腺肥大あるいはガンと言われたら、治療法は良く検討する必要があります。 年齢によっては、手術しないで人生を全うできるケースも多々あります。現時点での手術の技術を考えると東洋医学の方がいい経過であることが多いようです。

 

子供の夜尿の場合、遺伝性が高く、親が夜尿だとかなりの確率で子供に引き継がれます。そんなこと言っていても始まらないですよね・・・

特に高学年まで続いているケースでは、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいってないパターンと副交感神経が強く働いてしまうパターンがあるように思います。夢うつつで漏らす場合と全く無意識で漏らすケースですね。ネットでいろいろ言われていますが、本人の性格(慎重で臆病)と日常生活での過負荷がストレスになっている場合。無意識のケースでは、眠りが深すぎる。推測ですが、レム睡眠という半覚醒状態がうまく作動しないのではないかと思われます。この状態であれば、睡眠時でも尿意は感じますので、気の流れを正常化してあげれば、ほぼ寛解します。

いずれにしても、泌尿器疾患は、体質改善すれば比較的短期間で解消できますので、東洋医学の得意分野です。めったに奇跡は起こりませんが、時間をかければいい方向に行くと思います。

一度は鍼灸や漢方を試してみる価値はあると思います。