弾発指 ばね指 ヘバーデン結節 ブシャール結節 手根管症候群 腱鞘炎 TFCC

これらは全て、指の関節に現れる病気です。この他にリューマチなどもありますが、鍼灸での治療法はいずれも大きく変わるものではありません。

基本的に、全身のエネルギー循環を正常化し(本治法)患部への血流改善を含め、患部の炎症を取る治療法(標治法)を組み合わせた治療になります。

 

弾発指は別名ばね指と呼ばれ、文字通り、指の屈伸時にバネ仕掛けのようにカックンと撥ねるような動きになってしまうものです。ひどくなると、自力で指を動かせなくなります。 

原因は、特定動作の繰り返しによるものが多いです。最近は、マウスやスマホの操作によるものが非常に多いようです。意外なのが、スマホを保持している左手の方に症状が出ることが多いということです。首回りから、肩、背中、前腕の緊張を取ることで改善してきます。

あまりにひどい時は外科手術が必要になりますが、根気よく治療すれば、ほとんどの場合寛解します。

 

ヘバーデン結節、ブシャール結節はいずれも指の関節の変形を伴う炎症性疾患で、第1関節はヘバーデン、第2関節にでるのはブシャール結節と呼ばれます。リューマチや痛風と同じように代謝障害が原因となるのでこれらの症状は、全身的なエネルギー循環を改善することが大切です。部分的だからといって放っておくと、全ての指が変形してしまうこともあります。ほとんどの患者さんは、複数の指の変形が起きてから来院することが多いのですが、なるべく早めの治療開始が肝要です。痛みが出ている時は、変形が進行中であることの顕れです。

1度変形してしまったら元には戻りませんので、変形が少しでも気になりはじめたら治療を開始した方が良いと思います。少なくとも、それ以上の変形や疼痛は食い止められます。

 

腱鞘炎、手根管症候群は、手首の障害です。妊娠、出産後に起こることが多く、また、無理な労働やスポーツによって発症します。変形することはほとんどありませんが、指の開閉が痛みでできなくなることもあり、ひどい場合は手術が必要になります。

 

特殊な例として、手首の小指側が回旋時に電撃様の痛みが走ることがありますが、これはTFCCといって、比較的治癒に時間がかかります。テニスや卓球、バドミントン、ゴルフで発症することが多く、度重なる衝撃の積み重ねで起こる靱帯損傷です。安静が必要ですが、スポーツをやる人のほとんどは、頭のネジが多少ゆるんでいることが多いので、テーピングやサポーターでごまかしながら継続しているケースが多いですが、パフォーマンスが確実に落ちますので、そういう人は、ケア治療をしながらというのをお勧めします。

 

いずれにしても常に動かさざるを得ない部位なので、根気よく治療を続ける必要があります。