めまい

冬から春に移行する時期、めまいで苦しむ人が増えてきます。東洋医学ではめまいを大きく2通りに分類し、頭暈と眩暈と分類しています。

頭暈は頭位変換性とも言い、立ち上がったり、振り向いた時、頭を動かした時に、グラッとくるもの。東洋医学でいう腎の病症。

眩暈は、目を開けていられないもの、文字通り目が眩むもの、目が回るもので、肝の病症で、それぞれの経絡に治療を行うと軽減あるいは消失できます。

メニエール氏病や耳石なども治療対象で、鍼灸、特に経絡治療はこの分野に優れた効果を発揮します。

 

うちでも大寒を過ぎあたりから何人ものめまい患者が来院しています。

また、めまいというと、激しい症状で立っていられないもの、吐き気や嘔吐を伴うものと考えられがちですが、日頃から、ふとした時にクラ〜ッとくるものや、歩いているとななめに進んでしまうもの、下を向いたり横を向いたりすると、一瞬フラッとするような軽度なものなどを訴える方も多く、意外と軽視されがちです。

こういった症状は、動脈硬化による脳への血流障害(すでに脳梗塞や動脈瘤、脳腫瘍を患っているケースは別ですが)が始まっているという兆候であることが多く、加えて肩こりや首こり、頚椎の変形などが原因となっていることが多いようです。

病院で検査しても分からないことが多いため、最近は漢方薬が使われるようになりましたが、一般的には乗物酔いの薬を処方されます。

結構軽視されがちですが、脳への血行障害の前駆症状なので、やがては自律神経障害、脳梗塞や認知症といった脳神経への血流障害の発症原因となっています。 

また、普段からこういう症状がある人は、その辺でストーンとひっくり返ったり、ふらついて転んだりしないよう、体調管理しておきましょう。

 

特に、妊婦さん、産後の肥立ちにある人は、赤ちゃんへの影響も考えて、極力薬に頼らない治療法を選ぶべきであり、鍼灸はめまいに著効があり、もっとメジャーな治療法の選択肢になってもよいのではと思います。