グロインペイン(恥骨結合炎)その2

グロインペインその2 前回の続きです。まずは前回のところからご覧ください。

 

2週間が経ちました。経過は、上々です。最初の1週間は、大股で歩けない、全く走れない、寝返りのたびに目が覚める、何もしなくてもズキズキ疼き痛む自発痛という状況に大きな変化は見られませんでした。しかし、治療を継続していくうちに、10日目くらいから、痛みの強さ、頻度がかなり減りつつあります。寝返りでは、まだ目が覚めてしまうことがありますが、痛みのレベルは随分下がっています。小走りはまだ痛みはありますが、ゆっくり走ることは無理ですが、速く歩くことはできるようになりました。前週のようにガクっと力が抜けるような痛みはありません。一見、時間がかかっているようですが、怪我の種類と程度からすれば、かなり早い方です。

 

通常の臨床では、元々体質的に弱いところを強化する、あるいは、病気や怪我によるエネルギー循環(経絡)の歪みを是正する本治法と、直接悪いところを治療する標治法、離れた所から、遠隔的に治療する補助療法という3段階の治療を行います。

今回は、週2で総合的な治療、週1、2で本治法のみ行っています。通常の患者さんであれば、最初の1ヶ月位は週2〜3回の総合治療が好ましいケースになります。

 

ごく普通の日常生活では、右の恥骨と股関節周囲に重苦しさがあります。

寝返りの時だけは、重苦しい痛みがあり、一瞬ですが目が醒めてしまいます。先週までのように、はっきりと起きてしまうことはなくなりました。日によってばらつきはありますが、方向転換などの動作時に痛みを感じることはほぼなくなってきました。

スクワットも問題なくできました。ちょっと怖いですが、そろそろ、ジョギングとテニスを開始しようかと思います。もちろん、痛みがあればすぐに運動の負荷は落とします。

ここまで発症14日後までの経過です。

 

発症20日目

 無謀にも、テニスやってみました。驚いたことに、やっている最中は、とっさの動きでは痛みがあり、大きく踏み込んだり、急に走ったりはできませんが、速く歩くことはできるので、普通に打ち合ったりするのに不自由はありませんでした。無理な態勢でのショットは極力避けましたが、それでもたまに反応してしまい、時折強い痛みを感じることはあります。しかし、痛みが継続することはなかったので、そのまま続けてみました。

同伴者の目からは、ほぼ治っているように見えるとのことですが、自分の感覚では30%程度の回復度というところでしょうか。

プレー後に痛みが増悪することもなく、疲れて、治療せずに寝てしまいましたが、翌日にも痛みは出ていません。

この調子なら、1ヶ月程度で完全復帰できそうな感じです。

あまり調子に乗らないよう気を付けながらちょっとだけ無理してみます。

 

恥骨結合炎(グロインペイン) 解説

 

急激な股関節の開脚動作により、恥骨結合部、生殖器周囲に動作痛、自発痛を起こします。原因は、主に激しい運動、転倒や出産で発症することもあります。ひどい時は寝返りや歩くこともできず、少しでも開脚しようとすると激痛が走ることもあります。

 

治癒までの経過が長く、スポーツ選手は引退に追い込まれることも珍しくありません。通常、日常生活での不安がなくなるまで3ヶ月から1年以上かかると言われています。

 

 

恥骨は、前陰部の前で、左右の骨盤を接合しています。これが、強い衝撃により緩んでずれてしまった状態です。西洋医学では、何もしないか、ごく軽いストレッチ、マッサージ。手術する人もまれですがいます。他に保険外でカテーテル療法があります。