グロインペイン(恥骨結合炎・鼠径筋症候群)

恥骨結合炎(グロインペイン) 相当痛い

 

 急激な股関節の開脚動作により、鼠径部、恥骨結合部、生殖器周囲に動作痛、自発痛を起こ

します。

 原因は、主にサッカーやラグビー、ダンス、格闘技など激しい運動、出産で発症することが多

いようです。時に、急激な体位変換でも起こることがあるようです。

ひどい時は寝返りや歩くこともできず、少しでも開脚しようとすると激痛が走ることもあります。

前駆症状があることも多く、鼠径部に緊張を認める人は注意が必要です。

 

 治癒までの経過が長く、スポーツ選手は引退に追い込まれることも珍しくありません。

サッカーの中田選手、中山選手、長谷部選手などがこの怪我に苦しんだそうです。

 通常、日常生活での不安がなくなるまで3ヶ月から1年以上かかると言われています。

 当院での実績は、数例ですが、日常生活に戻るのには、それほど時間はかかってはいません。

 スポーツ選手のパフォーマンスはかなり低下しますが、治療を継続すれば予後はよいのではな

いかと期待しています。

 

 というのも、今回の患者はラッキーなことに、自分で鍼治療ができます。

 「はい、この度自分が発症致しました。」

 

 面白そうなので、ここに経過をアップしていきます。

 

 恥骨は、前陰部の前で、左右の骨盤を接合しています。これが強い力で引っ張られ、緩んで、

あるいは裂けてずれてしまった状態です。

 西洋医学では、何もしないか、ごく軽いストレッチ、マッサージ。保険外ですがカテーテル療法と

言う治療があります。

 自分の場合は、テニスの試合中、逆を突かれて捻った時に、鼠径部右側に電撃痛。

とりあえず小股の歩行はできるが、大股歩き、小走り、寝返りなど横への動きで激痛。

 結構重症な部類です。当然ながら治療は鍼灸のみでいきます。

 目標は、テニスをストレスなくプレーできるようにすることです。

 

 皆さん、お楽しみに。

とはいえ、実は、すでに1週間以上経ってしまっています。

遅くなりましたが、経過を書いていきます。

 

発症当日から治療開始。

 予測はしていたが、相当痛い。動こうと思っただけで、患部に激痛。ゆっくり呼吸を整えないと動

き出せない。患部は触ると、大げさでなく、飛び上がるほど痛む。

小股で歩くのは問題ない。

1週間は、毎日治療するが、動作痛、寝返りなど自覚的には大きな変化を感じられない。

寝返り打つ度に目が醒める。

 

ただし、押した時の患部の痛みは、少しずつ引いている。⇒炎症が引いてきていることを意味する。

 

炎症は引いてきているので、無謀だが、発症10日目にテニスしてみる。

動かないで打つことはできる。しかし、一歩でも動くとズキンッときて力が抜ける。

 

1時間ほど、ほとんど動かないでやってみたが、その日の夜は、相変わらず、寝返りの度に目が醒めたが、

痛みが悪化することはなかった。

 

翌日、日中も痛みは相変わらずだが、悪化している感覚はなさそう。

 

今回はここまで。

近いうちに経過報告します。